農村計画
主テーマ:空き家活用
廃校活用
農地利用
都市農村交流
研究期間:2002~
研究チーム :中園・山本(助教)
黒木(M2)
利光(M1)・渡邊(M1)
清水(B4)
研究概要
農村地域の過疎化・高齢化は様々な問題を抱えていますが、近年、農村の自然豊かな環境の価値が改めて認識され、国や地方自治体では都市から農村へのUIターンや、都市と農村の交流を積極的に進めています。その中でも、空き家を活用し住まいの受け皿づくりや、廃校を活用した地域の拠点づくりは、地域資源を有効に活用した居住環境整備手法として注目されます。
以上の観点から、具体的に下記の3つのテーマのもと、研究に取り組んでいます。
Ⅰ.農村地域における空き家活用システムに関する研究
Ⅱ.空き家・廃校と耕作放棄地を活用した都市農村交流事業の取り組み
Ⅲ.地理条件と家族労働力の変化が農地利用に与える影響
2008 廃校と空き家・耕作放棄地を活用した過疎農村集落の都市農村交流
山口県下関市菊川町の山間部に、人口145人、55世帯の自然豊かな美しい都市近郊農村がある。高齢化率は50%近く、少子・高齢化が進んでおり、地区内唯一の小学校がH19.3月に廃校となりました。この廃校と周辺に点在する空き家及び耕作放棄地を活用して、都市農村交流を実践し、住民参加による活気あふれた地域へと再生する取り組みを行いたいと考えています。
廃校になった轡井小学校 廃校の前の畑で芋掘り
2007 農村地域における田園居住支援システムに関する研究
定住促進を目的に取り組まれている自治体の「空き家活用事業」ですが、UIターン希望者は見知らぬ土地での暮らしや、農林漁業への適応性、収入の減少等に対する不安を抱え、移住に踏み切れない場合も考えられます。
そこで、空き家提供と併せて生活・仕事体験を通して田舎暮らしに対する不安感を解消することは、UIターンの動機付けの機会をもたらす上で有効であると考えられます。よって本研究では、就業体験と住宅支援が連動した「田園居住支援システム」を提案し、システムの実現に向けた展望と計画課題を明らかにすることを目的としています。
2007年度は、島根県の先進事例を対象に、自治体、体験受入先と体験者に対するヒアリング調査結果から、自治体の支援内容と就業体験事業が受入先や体験者にとってどのような効果をもたらしているかについて分析を行いました。
2006 農山漁村におけるIターン者住宅の持続的活用・管理システムに関する研究
本研究は、熊本県立大学の中島研究室との共同研究です。現在のUIターン者により生産された住宅が将来的に多くの新規空き家を発生させる可能性が考えられるため、これらを主体的にコントロールし管理するシステムを提案することを目的としています。
「団塊の世代」の将来的な動向を予測し、UIターン者の概数を推計した上で、その受け皿となる住宅数を推計しました。さらに典型地域における現状調査から将来的な問題点を指摘し、住宅ストックの持続的活用に向けての提案を行いました。
2005 情報提供型システムの事例調査山口県を対象として
現在大半の自治体で、空き家の情報提供と紹介のみ行う「情報提供」型システムが用いられています。2005年度は、山口県を調査対象として、「情報提供」型システムの特徴と課題を明らかにすることを目的としています。
油谷町の棚田の風景 カルガモの親子
2004 助成金制度型システムの事例調査鹿児島県を対象として
情報提供と改修費に助成金が支給される「助成金制度」型システムは、少数ですが近年増えてきているシステムです。特に、鹿児島県において事例が多く見られることから、2004年度は鹿児島県において空き家活用事業を実施している東郷町と、頴娃町を調査対象として、「助成金制度」型システムの特徴と課題を明らかにすることを目的としました。
調査住宅外観 猫ちゃん
2004 借り上げ+助成金制度型システムの事例調査・島根県を対象として
現在島根県内の市町村では、唯一「借り上げ+助成金制度」型システムを用いて空き家活用に取り組んでいます。活用事例は現在も増加しており、他に例を見ない注目すべき取り組みとして位置づけられます。そこで、2003年度は島根県で空き家活用事業を実施している18市町村を調査対象として、「借り上げ+助成金制度」型システムの特徴と課題を明らかにすることを目的としました。
島根県西ノ島町 調査住宅外観
2003 空き家活用事業の現状把握
空き家活用事業の現状を明らかにし、課題を見出すことを目的に、まず、空き家活用事業は定住施策の補助事業であることから、全国の定住背策の実態把握を行いました。次に、空き家活用事業を実施している市町村の資料収集を行い、現時点において実績が多いものを選出して住まい方調査を行いました。これらの結果を、事業システム・改修内容・住まい方・居住環境評価に対するそれそれの視点から分析を行いました。
その結果、空き家活用システムは、情報提供や、仲介のみでなく、改修費に助成金を支給したり、市町村が空き家を長期で借上げて活用する等、市町村によって違いが見られることが明らかになりました。
空き家活用システムの分類
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